日本人の両親の元、アメリカで生まれ育った指揮者、柳澤謙/Ken Yanagisawaは、ボストン・オペラ・コラボラティブの音楽監督であると同時に、ボストン・シビック・シンフォニーの副指揮者を務めています。20232月に関西二期会と日本センチュリー交響楽団と共に、兵庫県立芸術文化センターでモーツァルトのオペラ『魔笛』で日本デビュー。「音楽現代」誌で、「溌剌としてフレキシブルな感性と卓抜な指揮テクニック」「テンポの瑞々しさが光る」「今後が楽しみな新進指揮者のデビュー」と絶賛されました。最近では、ボストン大学オペラ研究所でアルノルト・シェーンベルクの『Erwartung作品17:期待』を指揮しました。また、デトロイト交響楽団でアシスタント指揮者を務めた経験を持ち、ナショナル・シンフォニーオーケストラ、ロードアイランド・フィルハーモニック、ベルリン・アカデミー・オブ・アメリカン・ミュージック、プリマス・フィルハーモニックでカバー・コンダクターとしても活動してきました。さらに、過去3年間ベルリン・オペラフェスティバルのカペルマイスターを務め、フンパーディンクの『ヘンゼルとグレーテル』、モーツァルトの『魔笛』、プッチーニの『修道女アンジェリカ』『ジャンニ・スキッキ』、シュトラウスの『ナクソス島のアリアドネ』などの公演に携わり、20189月にはバカウ・フィルハーモニック管弦楽団との共演でヨーロッパデビューを果たしています。
現在は、ボストン大学で指揮者ジェームズ・バートン氏の指導の下、オーケストラ指揮の音楽芸術博士号を取得するための研究を行っています。この間、ボストン大学交響楽団や室内楽団を何度も指揮し、また、ボストン大学オペラ研究所の公演でネッド・ローレムの『Our Town』やモーツァルトの『コジ・ファン・トゥッテ』、さらにはボストン大学交響楽団&シンフォニック・コーラスの演奏でブラームスの『ドイツ・レクイエム』やマーラーの交響曲第2番『復活』をボストン・シンフォニーホールでアシストしました。ボストン大の前には、日本の京都市立芸術大学へ短期留学。その前は、マンハッタン音楽院で指揮の修士号、イェール大学では音楽学専攻で学士号を取得しています。イェール大学に通う前は、ボストン交響楽団の主席オーボエ奏者、ジョン・フェリーロ氏の指導の下、オーボエ演奏の学士候補としてニューイングランド音楽院で学び、高校時代はジュリアード音楽院プレカレッジを成績最優等生で卒業しています。
謙が今までに指導を受けた指揮者は、ジョージ・マナハン氏、ウィリアム・ランプキン氏、ベルナール・ラバディエ氏、下野達也氏です。マスタークラスやフェスティバルでは、レナード・スラトキン氏、準・メルクル氏、ジェラルド・シュワルツ氏、ヨルマ・パヌラ氏、カルロス・シュピーラー氏などの著名なアーティストや教育者から指導を受けました。彼は音楽家としての人生でこれまでに受けた素晴らしい指導と助言に心から感謝しています。
音楽の演奏に加えて、謙はニューヨーク・フィルハーモニックの事務局で働いた経験があり、音楽公演の表舞台だけでなく裏方の苦労も知っています。フリーランスの写真家としての顔も持ち、彼の作品はTIME、ニューヨーク・タイムズ、ハフィントン・ポスト、ボストン・グローブ、プレイビル、the Chronicle of Higher Education, YES!ウィークリー、イェール・デイリー・ニュースなどで掲載されています。 
2023年8月現在)